51 views

 11月中旬、薄曇りで小雨が降り出しそうな空を横目に、六本木の国立新美術館で行われている安藤忠雄展  -挑戦- へ行ってきた。

 
  国立新美術館開館 10周年の企画展として、安藤忠雄の50年以上に及ぶキャリアを総括した89のプロジェクトが、当時の資料や模型と共に詳細に解説されている。

 安藤忠雄氏については、よくTVや雑誌で特集されていたので以前から知っていたものの、初めてその建築に触れたのは、昨年夏休みに訪れた瀬戸内海の直島であった。


島全体を現代美術の展示するハコとして、丸ごと美術館に作り上げていく途方も無いプロジェクト。その中核である地中博物館で実際にクロード・モネの睡蓮を鑑賞し、美術館とホテルが一体になったベネッセハウスに泊まって、本当に感動した。(ちなみに宿泊したのは4棟あるうちのビーチ。)
 無機質なコンクリートで構成された空間は、入った瞬間は独特な雰囲気に圧倒されるが、しばらくすると不思議と居心地がよくなり、感覚がどんどん研ぎ澄まされていく。
 コンクリートを組み合わせてダイナミックに構成された空間は見ていて単純にかっこいい。

今回の企画展ではそんな安藤建築の変遷が見て取れる訳だが、目玉はやはり光の教会のインスタレーションだ。1987年-1988年に建築された
大阪 茨木春日丘教会を原寸大で再現している。
今回は写真撮影もOK。
 

もともと十字架部分にあたるコンクリートのスリット部は外部と遮るものがない状態で設計されていたが、施主の意向で実物には窓ガラスが嵌め込まれている。
 今回のインスタレーションでは、当初の設計通りガラスなしで外部と交通しており、ある意味完全版。
 十字架の圧倒的な存在感と差し込む光の柔らかさに、ただただ見とれてしまった。

 安藤忠雄氏にとって建築とは、人間社会にまつわる多様な事象のあいだの関係づくりだそうだ。根底に流れる普遍的なテーマに改めて共感し、魅せられてしまった。

 

 ちなみに今回の展示で初めて知り一番衝撃だった作品がこれ。

 北海道にある頭大仏。

 2012年-2015年の建築。もともと北海道札幌の霊園に15年前に建築された大仏さま。参拝客が集まらず、施主から「ありがたくしてください」という依頼を受けた安藤氏が発案したのが、

大仏を埋める。

 大仏の頭部より下をラベンダーの丘で覆い隠し、来訪者は引き延ばされたアプローチの末に、天空から差し込む光の下に大仏を仰ぎ見る。

 
到底考え及びもしない発想力。かっこいい。

12月18日まで開催中です。興味のある方は是非。
 
(ニーチェ)