88 views

こんにちは、卍son square garden(マンジスン)です。『ゴッホの耳』という本を読んで以来、ゴッホに夢中です。ラッセンより好きです。そんな時、前々から気になっていた作家、原田マハの新作がゴッホの話だったので、すぐに購入!この際、他の小説も一気に読んでみましたのでレビューしようと思います。

まず、原田マハの経歴を紹介。

1962(昭和37)年、東京都小平市生れ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後フリーのキュレーター、カルチャーライターに・・・

といった感じで、世界の名画に関する作品が多いのが特徴。今回は小説に登場してくる各絵について、絵というものを言葉でどのように表現しているのか注目してみようと思う。私が選んだ本はコチラ!!!

  1. たゆたえども沈まず 作者:原田マハ
  2. 暗幕のゲルニカ 作者:原田マハ
  3. 楽園のカンヴァス 作者:原田マハ
  4. 本日は、お日柄もよく 作者:原田マハ

たゆたえども沈まず

オススメ度★★★★☆卍的書評キーワードコチラ↓

「テオの支えあってのゴッホ。浮世絵ってそんなに人気だったんだ。」

まずは帯のあらすじをご覧下さい。

 1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。

その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟テオドロスの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。

そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出す———。

日本人画商、林忠正とその助手重吉のパリに対する気持ちと、テオとフィンセントの浮世絵への愛が純粋すぎる。しんどいくらい。印象派も浮世絵も、ゴッホも始めは認めてもらえず、苦労したんだなぁ。

ゴッホの初期代表作『馬鈴薯を食べる人たち』を書いている部分があったので、見てみよう。

———ふたりの目の前に、薄暗い食卓が現れた。

小さな四角いテーブルを囲む五人の男女。狭苦しい部屋を灯すのは、中央に下がっているオイルランプだけだ。そのささやかな灯火が、貧しい人々の顔をかすかに照らしている。

オランダふうの粗末な服を着た人々は、家族だろうが、食事の最中だ。しかし食卓をともに囲む喜びは、どの顔にも見えない。痩せてギョロッとした目つきの女。疲れ果てた男の横顔。彼らの顔には、見えない明日への不安が霧のように広がっている。

いままさに、彼らが分け合い、食べているのは、じゃがいも。ただ、ゆでたじゃがいもばかりだ。

右端の女は、カップにコーヒーを注いでいる。その顔の皺の深さが、彼女の困難で恵まれなかった人生を如実に物語っている。

なんともわびしく、わびしい食卓。パリの華やぎのかけらもない。———

素晴らしい。馬鈴薯ってジャガイモのことなんだね(笑)。この頃の絵はすごく暗くて、えぐみがあるね。貧しい人を救いたい!ってゴッホはすげぇ優しい奴なんですよ。コーヒーも、飲む場面によっては「貧しさ」を感じさせるんだなぁ。

暗幕のゲルニカ

オススメ度★★☆☆☆卍的書評キーワードコチラ

「この世で一番メッセージ性のある作品ゲルニカ。」

こちらはAmazonでの紹介を引用してみます。

反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。

9.11で夫を失ったことをきっかけに、主人公八神瑤子はニューヨークでピカソ展を開催することを試みる。スペインからゲルニカを借りようとするんだけど、なかなかうまくいかない!謎の集団に襲われちゃったりして。ゲルニカに命を賭けている人ってのが沢山いて、それぐらいゲルニカにはメッセージ性、心を動かす力が備わっているんだな。

それでは『ゲルニカ』を表した文章を見てみよう。

 アトリエの壁を覆い尽くした、縦・薬350センチ、横・780センチの巨大カンヴァス。そこには、驚愕し、もがき、のたうち回る、人間たちや動物たちの群像が出現していた。

 横長の画面を支配ているのは、阿鼻叫喚だった。死んだ子供を抱いて泣き叫ぶ女、人間の男の顔を持った牡牛、折れた剣を握りしめて横たわる兵士。息も絶え絶えにもがき苦しむ馬、逃げ惑う女。いったい何が起こったのか、確かめるように、助けを求めるように、二階の窓から腕を突き出してランプをかざす人。その家からはめらめらと火の手が上がる。

 そして中央には、虚空に向かって高々と突き上げられた拳があった。死ぬ間際の兵士が、最後の力を振り絞って突き上げた拳。何者かに抵抗するかのごとく、命の灯火がまだ消えてはいないと主張するかのごとく。

モノトーンが、空爆の無差別さ・無慈悲さを強調する。こういう風に一人一人の動きを観察していくと、声が聞こえてきそうですね。去年、僕がスペイン旅行に行った時は、美術館が休みで見れなかったんだ、、。実物見てみたいなぁ、くそデカいんだろうなぁ。

 

はい!!!ちょっと疲れたから、残り2つは後編にて。